看護師の働き方は多様であり、様々な勤務先と勤務形態が存在します。
看護学校に入学前に、看護師になった後にどのような勤務先が存在して、どのような働き方があるのかと知っておくことは重要な視点の一つです。
この記事では、シングルマザーが看護師として働く際に考えられる勤務先と勤務形態について探っていきます。
看護師の勤務先
病院
病棟看護、救急部門、手術室など、様々な勤務形態があります。
看護師は、患者の状態を継続的に観察し、必要なケアを提供することで、患者の回復や快適な入院生活を支援します。
病院勤務は患者との直接的な関わりがあり、看護師として必要なスキルの多くを習得することができます。
病院によっては重症度の高い患者のケアや急変時の対応も学ぶことができるでしょう。
看護師1年目は、知識を知っていても必要な時に、必要な知識を使って看護展開をすることが難しいです。
ある程度の失敗はすると言っても間違いはありません。
重大な失敗をしないために病院では、経験を積み重ねた先輩がペアとなって指導をしてくれるプリセプター制度をとっている病院が多くあります。
そのほかにも、給与は比較的に高い傾向にあり福利厚生も充実していることが多いです。
病院内での経験を重ねることで、管理職になることも可能です。
病院勤務は、夜勤や残業も多く、週末や祝日の勤務があります。
週末や祝日の休みは希望をすれば可能ですが、すべての週末と祝日を休みにすることは相談をすることが必要です。
将来的には積み重ねたスキルが転職にも有利になります。
診療所・クリニック
小児科、内科、整形外科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科など多くの診療所やクリニックがあります。
それぞれの診療科における看護の役割があります。
小児科であれば、子どもの疾患ついての深い知識や子どもとのコミュニケーションスキルが求められるでしょうし、眼科の看護師であれば、特に目の疾患に詳しくなることや眼科ならではの検査機材の知識も必要でしょう。
どの診療科でも共通することは、医師の診察を補助し、医師の指示に基づいて、患者に採血、注射、傷の処置、点滴の管理などを実施します。
医師の実施する身体検査の補助や検査の準備と片付けなども行います。
診療所やクリニックの看護師は、患者の健康管理や医療サポートを通じて、地域の健康増進にも貢献することになります。
多くの診療所やクリニックは日曜日と祝日が休診です。
大型連休も、休診の場合が多いです。
診療時間は9時~18時頃が多く、休憩時間が2時間程度ある場合が多いです。
休憩時間が長いため、一旦自宅へ帰り家事を行う看護師もいるようです。
診療科によっては、繁忙時期があるため、残業することもあります。
特定の診療科の知識は高まりますが、その他の知識や技術の習得は難しいでしょう。
病院と比べると研修制度などは少ないため、スキルや知識を高めるためには自己努力が必要です。
病院と比べて、即戦力となる看護師が求められる傾向があります。
介護福祉施設(高齢者施設・障害者支援施設)
介護福祉施設の看護師は、高齢者や障害者などの利用者に対して総合的な医療ケアや支援を提供する役割を担っています。
看護業務の中心は、利用者の生活支援や健康管理です。
利用者の健康管理のために、医師の指示に基づいて医療処置を行います。
これには、服薬管理、創傷ケア、褥瘡(じょくそう)ケア、緊急時の応急処置などが含まれます。
利用者が慢性的な疾患や障害を抱えている場合、それらの状態の管理やケアも担当します。
そのほかに、利用者やその家族に対して、健康に関する情報やアドバイスを提供し、健康的な生活習慣の促進や疾患の予防に努めます。
また、必要に応じて利用者や家族の心理的・感情的な支援も行います。
直接的なケアの多くは介護福祉士が行うため、介護福祉士から助言を求められたり、介護福祉士への指導を行う場合もあります。
医師、介護士、リハビリテーションスタッフ、社会福祉士など、多職種のチームと連携し、介護福祉施設の看護師は、利用者の安全と健康を最優先に考え、総合的な医療ケアや支援を提供することで、利用者の生活の質を向上させることに貢献しています。
看護師が夜勤をしない施設もあれば、夜勤が必要な施設もあります。
夜勤がない施設の場合には、宅直看護師が施設の携帯電話を持ち帰り、介護福祉士の夜勤者より必要に応じて報告や相談をうけます。
電話での対応では難しい場合には、自宅から施設へ出動します。
週末や祝日の休みは希望をすれば可能ですが、すべての週末と祝日を休みにすることは相談をすることが必要です。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションで働く看護師は、患者の自宅や施設を訪問して医療ケアや支援を提供する役割を担っています。
患者の自宅や施設を訪問し、血圧、体温、脈拍などのバイタルサインを測定し、健康状態の評価や観察を行います。
病状の変化や異常を見逃さないようにし、変化や異常を発見した際には、必要に応じて医師に報告をします。
そのほかに、医師の処方に基づいて、点滴や経管栄養、創傷管理など、必要な医療ケアを実施します。
患者や家族の精神的・感情的なニーズに対応し心理的なサポートをしたり、必要とする社会福祉サービスや支援団体などへの紹介も行います。
訪問看護ステーションの看護師は日中の勤務が主な勤務時間です。
日曜日や祝日は休みであることが多いです。
訪問看護ステーションが休みの日や夜間は、宅直看護師が訪問看護ステーションの携帯電話を持ち帰ります。
患者や家族から電話で相談をうけて、必要に応じて、患者の自宅へ向かったり、救急要請を促したりもします。
その他の勤務先
企業保健室、学校や保育施設などの看護業務があります。
これらの環境での看護業務は、それぞれのニーズや特性に応じて異なりますが、健康管理や緊急時の対応、健康教育などが共通して重要な役割を果たします。
看護師は、特性を理解し、適切なケアを提供するために必要なスキルや知識を持っていることが求められます。
それぞれの環境での看護業務について、簡潔に説明します。
企業での看護業務
企業での看護業務は、従業員の健康管理や労働安全衛生に関する活動を行います。
これには、健康相談や健康診断の実施、職場での急病対応、健康教育の提供などが含まれます。
また、労働者の健康増進やストレス管理の支援も重要な役割です。
学校や保育施設での看護業務
学校や保育施設での看護業務は、子供たちの健康管理と安全確保に焦点を当てています。
看護師は、疾病やケガの応急処置、健康相談、健康教育の提供などを行います。
また、医療的ケアが必要な子供たちのケアや支援も担当する場合があります。
看護師の勤務形態
正規雇用
安定した収入と福利厚生が魅力ですが、働き方の選択肢が限られることもあります。
派遣や臨時雇用
柔軟な働き方が可能ですが、不安定な面もあります。
需要の高い時期や特定のプロジェクトに参加することができます。
アルバイト
時間や場所の制約を軽減する働き方です。
家庭との両立がしやすい反面、収入が不安定な場合もあります。
自営業
ホームケアサービスや健康相談、企業コンサルタントなどの活動があります。
自分のスケジュールを自由に調整できる反面、事業の安定化や顧客の獲得が課題です。
しかし、看護師として経験が必要であるため、新卒で自営業を選択することは難しいです。
まとめ
看護師の勤務先や勤務形態は多様であり、個々のニーズやキャリア目標に応じて選択ができます。
シングルマザーとして、自分の家庭と仕事の両立を考えながら、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
シングルマザーにとって大事なものは、自分のキャリア目標だけではありません。
夜勤の間に子どもを見てくれる環境を整えることができるか、保育園や学童は勤務時間が終わるまで対応してくれるかなど、考慮する点は多くあります。
自分に合った働き方を見つけるために、優先順位や希望を考慮しながら検討していきましょう。
ちなみに、私の看護師としてのスタートは、慢性期の病院に就職しました。
新人教育に力を入れている病院でしたので、自分の看護師としてのスキルを育ててもらえたと思っています。
新卒でクリニックに就職して、クリニック内での役職を任されるまで頑張った友人もいます。
これから看護師を目指す方は、看護学校に入学した後に、少しづつ具体的に考えていければ良いと思います。
慎重な検討と自己理解を深めながら、新たなキャリアの可能性を探っていきましょう。
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